2016年09月27日

成年後見にかかる法改正について

今年4月に、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」及び「成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が成立し、平成28年10月13日より施行されます。

大変細かい内容ではありますが、概要としては、

 @成年後見人による財産管理のための郵便物に関する権限
 A被後見人の死後事務に関する権限


が明文化されたものとなります。

@について

現在、成年後見人は、成年被後見人に宛てられた郵便物を受領・開封する権限は法律上で規定がありません。しかし、法改正後は、家庭裁判所が必要と認めれば、信書の送達 を行う者に対して成年被後見人に宛てた郵便物や信書等を成年後見人に配達すべき旨を嘱託できることになります。ただし、期間は6ヶ月までということです。

成年被後見人の財産管理においては、最初から全財産を正確に把握できることは稀で、郵便物等の受領・内容の確認が非常に重要となるケースは多いと思われます。この改正により、よりスムーズで正確な財産の把握につながれば、と思います。

Aについて

成年被後見人が亡くなった時点で、後見人の権限は消滅しますので、成年後見人は速やかに財産を清算し相続人へ引き継ぐことになります。相続人とすぐに連絡が取れて、引継ぎが簡単にできればよいのですが、中には親族と疎遠であったり身寄りがなかった場合など、円滑に進めることができないこともしばしばあります。

法改正後は、そういった際に、成年後見が終了した(成年被後見人が死亡した)後でも、死後に必要な事務を行うことができるようになります。その権限としては

  【A】相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為
  【B】相続財産に属する債務(弁済期が到来しているものに限る)の
     弁済
  【C】その死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財
     産の保存に必要な行為


と定められています。

相続人の意思に明らかに反する場合を除き、後見人が権限に基づいて死後事務を行うことができるようになったわけですが、まだ不明瞭な点もあるように感じます。例えば【A】【B】で言われている『特定の財産』と『その他相続財産』の違いって何だろう?とか・・・。

また、【C】については家庭裁判所の許可が必要となっています。遺体の安置にも費用が発生しますし、いずれにせよ火葬等は死後迅速に行う必要があると思うのですが、成年被後見人が亡くなってすぐに裁判所宛てに火葬許可の申立てを行うとして、いつ許可がでるものなのでしょうか?

せっかくの法改正も、状況によってはかえって窮屈なものとなってしまうことがあります。この法改正が成年後見人・成年被後見人の双方にとって利用しやすく、有用なものとなることを願います。






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posted by 山崎法務事務所 at 15:36| 法改正