2020年02月14日

金融機関代表者の変更【抵当権抹消登記】

ローン完済後の抵当権の抹消手続きは、よくご依頼を頂く仕事のうちの一つです。
その際、お客様が抵当権者であった金融機関から受け取った書類を、長い年月が経ってから持ち込まれることがたまにあります。
抵当権解除証書や委任状等、金融機関の代表者名が入った書類がありますが、年数が経つと代表者が代わってしまっていることも多いです。

そんな時は少し戸惑うかもしれませんが、抵当権の抹消登記手続きには古い書類でもそのまま使うことができます。これは、不動産登記法17条により、登記申請代理権限に関しては、当事者に死亡や代理権の消滅・変更等があっても消滅しないと規定されているため、旧代表者名の入った委任状が、代理権消滅後も有効とされるからです。

不動産登記法

第17条(代理権の不消滅)

登記の申請をする者の委任による代理の権限は、
次に掲げる事由によっては、消滅しない。
一 本人の死亡
二 本人である法人の合併による消滅
三 本人である受託者の信託に関する任務の終了
四 法定代理人の死亡又はその代理権の消滅若しくは変更


抹消登記の申請書の登記義務者欄には現在の代表者を記載しますが、(法務局により多少運用が違うということはあるようですが)
  @旧代表者名
  A旧代表者の代理権が消滅している旨
  B旧代表者の任期
も記載する必要があります。

抵当権抹消手続きをご自身でされる方もいらっしゃるかも知れませんが、実際には、上記のような代表者の変更だけではなく、合併や消滅ということもありますし、また、ご自身のご住所が変わられるということもあります。そうなるとお手続きが煩雑になりますので、当事務所までお気軽にご相談ください。
また、抹消手続きに期限はありませんが、置いていたからといってメリットもありませんので、完済後はお早めにお手続き頂くことをお勧めしますわーい(嬉しい顔)




 

位置情報山崎法務事務所
神戸市東灘区田中町1丁目12番3号
TEL:078−451−0309
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エニタイムフィットネス摂津本山店向かい) 
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posted by 山崎法務事務所 at 14:17| 登記

2018年10月23日

積水ハウスvs地面師事件と不正登記防止申出制度

昨年、積水ハウスが土地取引で約55億円もの詐欺被害に遭った事件で、先日、いわゆる『地面師』と言われるグループが逮捕され、それに関するニュースが多数報道されていました。

海喜館.jpg

新聞、雑誌、TV、ネット等で様々なことが語られていましたので、それをもとに司法書士の目線でコメントしてみますひらめき

マスコミは地面師の手口とか買主である積水ハウスにスポットを当てて報道しています。これは知る側も内容がわかりやすいし、興味がわくのでよく理解できますが、ここでは視点を変えてみます。
不動産登記に深く関わる司法書士目線からすると、この事件については、注目する箇所が2か所程あります。

@公証人による委任状の認証(不動産登記法第23条第4項2号) 
A不正登記防止申出制度(不動産登記事務取扱手続準則第35条) 

@について、このグループは、権利証原本の代替として公証人による委任状の認証を利用したとのことです。
不動産売買の際に権利証がない場合、通常は司法書士等による「本人確認情報」の提供という手段がよく使われるのですが、司法書士による本人確認の方が厳密になりがちなため、それを避けたのか、公証役場で偽造パスポートと印鑑登録証明書を見せて認証を受けていたようです。

費用が安くなり司法書士の責任負担も軽減されるために稀に利用されていたようですが、公証人の本人確認はかなり簡易であり、司法書士仲間では疑問視する声がありました。地面師グループはこれを巧みに利用して、買主及び司法書士をだまし切ったのでしょう。

Aについて、興味深かったので少し詳しく(あくまで仮説も含みます)

平成29年6月1日 残代金の決済
平成29年6月1日 所有権移転移転申請
平成29年6月9日 登記申請却下

6月1日に残代金が支払われているので、地面師グループは任務完了で登記ができるかどうかは関心ないでしょう。代金決済をした後に、司法書士が書類を法務局に提出するので、司法書士としては登記が無事に完了するまでの憂鬱な期間です。

ここでおやっexclamation&questionと思ったのが、6月9日に『却下』とあることです。
私は20年以上、司法書士をしておりますが、登記申請で却下という経験がありません。恐らく多くの司法書士もそうでしょう。補正ということで、訂正、追加等の書類の不備を指摘されたことは何度もあり、取り下げも数回はあります。

登記申請で却下というのは、なかなかお目にかかれないものだし、9日間で却下されることなんてあるんだろうかという疑問です。却下するまでに法務局は1、2か月ほどかけたりします。
地面師グループが作成した偽造パスポート、印鑑証明書により公証人、買主、司法書士は騙されたが、法務局だけは偽造書類を見破って登記申請を却下したとの記事がありましたが、本当だろうかと思ったのです。

なぜこの申請があっという間に却下されたのか。
考えられるのは、事前に『不正登記防止申出』(不動産登記事務取扱手続準則第35条)の制度が利用されていたのではないかということです。
真の所有者が5月10日以降に積水ハウスに4通も内容証明郵便を出していたことからも司法書士、法務局等に相談に行ってこの申し出を行っていたのではないでしょうか。

この制度は、不正な登記がされる恐れがある場合にそれを防止するために設けられている制度です。例えば、権利証や印鑑証明書等を盗まれてしまったなどという場合に法務局へ不正登記防止申出書を提出しておけば、登記官が登記申請人に出頭を求めて本人確認が行われることとなります。また、不正登記防止の申出人に対しては法務局から通知が届くようになるのです。この制度が利用されていたとなると、却下の早さにも納得できます。

不正登記防止申出の制度は、原則として本人が出頭する必要がありますし、有効期限は申出から3ヶ月しかありません(再度申出は何度でも可能です)。また、その申出が必要となった理由に対応する措置をとっていないと受理されません。対応する措置というのは、例えば、権利証が盗難にあった場合には、警察などに被害届を提出するなどといったことです。簡単には使いにくい制度かも知れませんが、今回の事件のようなことがあったことを考えると、頭の片隅には置いておくべきかと感じました。




 

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posted by 山崎法務事務所 at 10:26| 登記

2017年07月07日

みなし解散と会社の継続

平成26年から、全国の法務局において、休眠会社及び休眠一般法人の整理が毎年行われるようになりました。

休眠会社とは「最後の登記から12年を経過している株式会社」、休眠一般法人とは「最後の登記から5年を経過している一般社団法人又は一般財団法人」のことをいいます。

休眠会社又は休眠一般法人に対しては、法務大臣による公告及び登記所からの通知がなされます。それから2ヶ月以内に事業を廃止していない旨の届出や役員変更等の登記をしない場合、登記官が職権で解散の登記をします。これが「みなし解散の登記」です。みなし解散登記がされても、登記簿は閉鎖されませんので会社の登記事項証明書は取れるのですが、代表取締役は抹消されているので、会社の印鑑証明書は取れなくなります。

みなし解散されたまま放置してしまうと、言葉通り、会社は解散したものとみなされますが、3年以内であれば、特別決議(議決権のある株式の過半数以上の出席で3分の2以上の賛成)により継続登記を行い、会社を復活させることができます

休眠会社・休眠一般法人の整理作業は、会社法施行前にはおよそ5年に1度くらいの間隔だったのですが、前述のように毎年行われるようになり、それに関するご相談やご依頼も増えてきました。

会社法になってから初めて継続の登記の依頼があった際には、一から調べ直さないといけないうえに、たびたびの法改正もされていたので、それはもう大変な目にあいましたもうやだ〜(悲しい顔)
なんとか無事に登記を完了できたので、事務所HPに事例(登記事項、添付書類、登録免許税等)を掲載しております。是非、そちらをご覧ください。

書類の準備等がかなり煩雑になりますので、司法書士にご依頼いただくと、ご負担も少なく手続きを終えて頂けることと思います。




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posted by 山崎法務事務所 at 12:18| 登記

2017年06月27日

事務所HPを更新しました 〜株券の廃止(株券不発行)について〜

日付は随分遡りますが、平成18年5月1日施行の新会社法により「株券の発行」についての捉え方が変わりました。

会社法施行前には、原則、株券は「発行する」だったものが、会社法施行後は原則、株券は「発行しない」と、すっかり逆の考え方になってしまっていますがく〜(落胆した顔)

そのことにより、株券の発行コストをなくすことができるようになったわけですが、会社法施行前から存在する株式会社の登記簿謄本には職権で「当会社は株券を発行する」という記載がされています。

株券を発行するという登記を廃止にするためには、株券を発行する旨の定めを廃止する登記申請をする必要があります。

この手続きの事例を事務所HPに掲載しておりますので、ご参考になさってくださいわーい(嬉しい顔)

  事例 〜株券発行の定めの廃止〜




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posted by 山崎法務事務所 at 15:03| 登記

2016年11月04日

買戻し特約の抹消登記

以前にも一度旧ブログにてご案内させて頂いたことがあるのですが、よくお問い合わせいただく項目のひとつに買戻特約の抹消登記があります。

事務所が神戸市東灘区にありますので、やはり近隣の方からのお問い合わせが多く、買戻権者として「神戸市住宅供給公社」「兵庫県住宅供給公社」などが設定されているものがよく見られます。しかし、郵送だけでの手続きも可能ですので、遠方にお持ちの不動産についてのご依頼も承っております。

買戻期間が過ぎればもちろん特約の効力は無くなりますが、登記されたままでは将来その不動産を売却することなどができません。長期間そのまま放置していると権利関係が複雑になって必要な手続きが増えたり、急に必要になって手続きを急ぐと費用が割高になったりすることがあります。従って、買戻期間の満了後は、速やかに抹消手続きを行っておくことをお勧め致します。

当事務所にご依頼頂いた場合、買戻権抹消登記手続の費用は下記の通りです。

基本報酬
  14,000円(税別)
    → 2016年12月15日までにご依頼を頂いた場合、
     特別価格 12,000円(税別)とさせて頂きます。

    ※登記住所または氏名が変更している場合、住所(氏名)
     変更登記費用としてプラス10,000円(税別)が掛かり
     ますのでご注意ください。
     また、不動産件数が複数ある場合や、所有者がお亡くな
     りになって相続が発生する場合などには、別途追加料金
     が必要です。

実費
 登録免許税(不動産1件につき) 1,000円
 登記簿確認、登記事項証明書、郵送費等 4,000円程度

ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。メールでの無料相談も承ります。





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posted by 山崎法務事務所 at 09:31| 登記